嘉祥 福楽(かしょう ふくらく)では、手づくり・素材にこだわり、四季を感じるお菓子づくりを日々探求し、お客様にお届けしております。当店自慢のお菓子たちをご賞味頂けましたら幸いでございます。
ここで、店名の由来をお話しさせて頂きます。仁明(にんみょう)天皇(810-850)が即位なされた頃、元号が「嘉祥」と改まりました。その天皇は和菓子をこよなく愛され、6月16日を和菓子の日と定められました。菓子を贈ったり食したりして除災招福の日としたのが始まりです。
その嘉祥時代にちなみ、当店のお菓子をお召し上がり頂いたお客様に「福」と「楽」が招くようにとの願いを込め、「嘉祥 福楽」と名づけました。後に「嘉祥」は、「菓匠」の語源になったと言われております。
一 手づくりへのこだわり
キーワードは「按配(あんばい)」
「按配」とは、「ちょうど良い加減」いったものでしょうか。
お菓子は時事刻々と生きています。それは作り手としてしみじみと感じる思いがあります。冬の生地と夏の生地では、同じ配合でも柔らかさが違います。それを同じ按配にもっていくのが、職人の職人たる所以でしょうか。
手触りや感覚は、やはり永年の経験に基づいたものです。極端に堅くすると粉が入り過ぎて美味しくなくなるし、柔らかいままだと、生地がだれてしまい見た目も悪くなります。
「按配」とは、手づくりなくして成し得ない技術と言ってもいいのです。
二 四季を感じるお菓子づくり
キーワードは「自然」
日本の四季は、まことに見事なものです。地球の地軸には傾斜があり、少し斜めに回っているために、日本には美しい四季が現れています。冬は極寒地帯があれば、夏は猛暑のところありで、その過程での自然が想像力をかきたててくれます。この溢れ出す想像力からお菓子は生まれます。
自然は、春から夏へ、夏から秋へ、秋から冬へ、冬から春へと、様々な農作物を育み、色合いと風情をかもし出してくれます。 緑と清流の町、西脇市に生まれた私は、その風光明媚な空間を愛して止みません。この自然なくしては、お菓子は生まれないのです。
三 素材へのこだわり
キーワードは「良質」
当店では、全国から良質の材料を選び、お菓子を作っております。
小豆は北海道帯広産大納言小豆を使用。その筋では最高級品です。葛粉は奈良県吉野の随一本葛。黄粉(きなこ)は京都産の大豆を挽いています。もち米は日本三大もち米の一つ、佐賀県産ヒヨクモチ米を使用しています。
その他、様々な材料を仕入れていますが、とにかく「良質」な材料を選ぶ、これが、生地の伸び、弾力、しっとり感、もちもち感、などを限りなく高めてくれます。より美味しいお菓子を作るためには良質な材料は不可欠な要素であります。
四 和の心と洋の心の融合
キーワードは「和魂洋才」
和の心を失わず、洋の能力も生かしていこうという思い、それは「味」と「技術」の両面から語らなければなりません。
「味」という観点でいえば、お菓子には、和菓子、洋菓子、駄菓子ありで、美味しいものは洋の東西を問わず、世界中に存在します。 例えば、その「和」と「洋」を組み合わせたときに、今までなかった味を発見する
ことがあります。そこには無限に近いアイテムが存在し、様々なバラエティを生み出してくれます。
さらに「技術」の観点から言えば、和菓子とは、総合芸術だと私は思っています。生地があって、内包材があり、それを包んで、焼いたり、焚いたり、蒸したり、様々な作為のなかで、生まれてきます。
それを包装資材で包み、可愛らしいネーミングをつけて、初めてお客様のお手元にお届け出来るのです。そのなかには、「和」だけに囚われていては、生み出せない要素が無限にあります。
「和魂洋才」とは、常に新しいものを作り出すための、まさに創造と発見です。和菓子の世界に新風を吹き込むため、日夜、努力精進しております。
五 限りなき味の探求
キーワードは「一生勉強」
最初にお菓子は生きていると言いました。それは、時々刻々と変化しているということです。この変化とはなんでしょう?
例えば、一個のお饅頭で説明しますと、焼き上がったばかりのお饅頭は、実はとても皮が堅くて食べれる代物ではありません。それが半日、一日、二日と時間の経過によって、
皮に独特の「しとり感」が生まれてきます。それは、少しずつ少しずつ皮が「餡」の水分を吸っているためです。この吸収はしばらく続きます。この吸収が終わる頃に、皮と餡の絶妙な一体感が生まれるのです。この一体感こそが、究極の味を生み出すのです。
お菓子が生きているというのは、このように日夜、お菓子自身が美味しくなろうと自らで変化させていく姿を表現しております。私共は、そのようにお菓子が生きていく様を手助けできるよう、日々学習を続けております。